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経済

《企業研究》 日本銀行

異次元緩和「宴の終焉」で始まる悪夢

2015年7月号

「ほとんどの行員が思っている。こんなことをいつまでも続けられるハズはないし、また続けていてはマズいと。でも、ここまできたら最早、退くことはできないし、ましてややめることなどできない……」。日本銀行関係者の一人が苦渋をにじませる。

 二〇一三年三月に就任した黒田東彦総裁の下で幕を開けた日銀の異次元緩和(量的・質的緩和)。当初、一四年度末までにマネタリーベース(日銀券+日銀当座預金残高)を二倍に増やすことなどを目標にスタートした長期国債の大量買い入れは、昨年十月末の追加緩和、通称「ハロウィーン緩和」で一段と勢いを加速。いまや日銀は月間国債発行額の九割前後に当たる八兆~十二兆円を民間金融機関などから買い入れオペで毎月吸い上げ、年間八十兆円増のペースで国債保有残高を積み上げている。

 これにより一四年度末時点における日銀の長期国債保有残高は、前年度末から四二%強増えて二百二十兆円超にまで膨張。いまや総発行残高のおよそ二五%を占めるまでになった。このままのペースで買い入れを進めると、二年後の一六年度末には保有割合は四割近くに・・・