自民総裁選で誰か立つのか
脆弱「反安倍」グループは誕生したが
2015年6月号
「凪」の状態が続く自民党で、ようやくさざ波が起きた。重鎮OBが画策した「反安倍」の動きについて、党内では冷ややかな視線が集まっている。
「秋の総裁選で勝つのは夢物語。しかし今後の安倍降ろしの核にはなり得る」
自民党の閣僚経験者は党内の空気と今後の見通しをこう分析する。
五月七日、国会内で「過去を学び、分厚い保守政治を目指す若手議員の会(以下、分厚い保守の会)」という冗長な名前の勉強会が設立総会を開いた。二十七人の設立メンバーのうち二十四人が出席したその場で、発起人代表を務める岸田派の衆議院議員、武井俊輔(当選二回)は設立趣旨を謳いあげた。
「戦争の悲惨さや負の部分を含め、様々な思いをしっかり受け止め、これからあるであろう様々な議論に臨みたい」
多分に首相、安倍晋三を意識しているが、参加者はそれを認めない。武井は「(新聞で)『ハト派の結集』『党の現状に危機感』とセンセーショナルに書きたてられたが、あくまでこの会は勉強会」と述べ、「反安倍会合」との見方を打ち消した。
まずは総裁選実施が目標
自民党の一、二回生議員が、自民党に根・・・