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経済

《クローズ・アップ》 ニケシュ・アローラ(ソフトバンク次期副社長)

孫正義後継候補は「日和見主義者」

2015年6月号

 ソフトバンクの孫正義社長は五月、グーグルから昨年九月にソフトバンクに移ってきたニケシュ・アローラ氏を自身の重要な後継者候補と発表した。そのアローラ氏を、ソフトバンクからソフトバンクグループへと体制を移行するとともに、確固たるナンバー2の座に就けた。経験も能力も申し分ない同氏は、間違いなく同社の経営を率いる能力があるだろう。孫氏が後継者としてアローラ氏を選んだのであれば、日本企業のグローバル化として素晴らしい先例となる英断である。だが、落とし穴はないのか。そもそも、謎のインド人後継者とは何者なのか。

 アローラ氏は一九六八年、インドの首都デリー郊外のガジアバードでインド空軍の財務担当者だった父の元に生まれた。インド工科大学を卒業し、IT大手ウィプロのコンピューターを政府等に売る仕事を短期間行った。当時は、バイクで売り歩いていたという。

 しかし、すぐに父の老後の蓄えであった三千ドルを手にしてMBA留学のため渡米。入学金がないため、ボストンのノースイースタン大学を選んだ。同大学での指導教授はアローラ氏を当初は「不器用だった」と語る。教授夫婦の調・・・