「暴力団融資」止めぬ銀行界
警察に背を向ける「全銀協」
2015年6月号
「反社会的勢力との関係遮断については、預金保険機構を介した警察庁データベースとの接続をしっかりと進めて参る」
今年四月一日、全国銀行協会の会長の座に収まった「みずほフィナンシャルグループ(FG)」の佐藤康博社長は、就任会見でこう述べた。二〇一三年にFG内で暴力団関係者への融資が明るみに出たことを念頭に、強い決意を語ったようにも見えるが、白々しいにも程がある。実態は、全銀協加盟各行が裏社会との関係を一向に断ち切れていないのだ。
「地元密着」が仇となる地銀
三メガバンクのなかでは、やはりみずほの脇が甘い。民間調査会社社員が語る。
「三菱東京UFJや三井住友の融資案件ではあからさまなものが少ない。両行でも、暴力団員やフロント企業の口座の整理は遅々として進んでいないが、みずほの場合はさらに融資をしてしまう」
本誌一月号(みずほ銀行がまた『反社融資』)で報じた後も、みずほの悪行についての情報は次々と入ってくる。四月十三日、東京地方裁判所が「グラス・ワン・テクノロジー(GOT)」という会社の破産開始手続きを決定した。同社は、一三年に設立されたばかり・・・