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経済

野村證券「株式上場詐欺」の重罪

投資家裏切る悪行で「ぼろ儲け」

2015年6月号

 四月二十八日、証券業界が注目する新規株式公開(IPO)が行われた。この日新興市場マザーズに上場したのは、スマートフォン向けニュースアプリを提供する「グノシー」だ。上場当初の時価総額は約三百億円。昨年東証一部に上場したリクルートホールディングスと比べると一割にも満たない規模の会社がなぜ耳目を集めたのか。 「活況の新興市場が『上場ゴール』で冷や水を浴びせられた。その原因となった野村證券が主幹事を務める注目銘柄だった」  全国紙証券担当記者はこう解説する。ネットで生まれた「上場ゴール」という言葉が活字媒体でも取り上げられるようになっているが、明確な定義はない。新規上場直後に失望材料が出て株価が下落することだが、投資家にとっては騙されたようなものだ。悪質なものは「株式公開詐欺」(経済誌記者)と思しきものまであるが、そうした「問題銘柄」の上場に野村が関与している例が目立つ。過去にもインサイダー取引などの不祥事が噴出してきた野村の体質はまったく変わっていない。 公開株価を吊り上げる 「投資家の信頼を損ないかねない最近のIPOは看過できない」  ・・・