「断末魔」の新聞販売店
宅配制度「崩壊」の瀬戸際
2015年5月号
新聞各社の発行部数の右肩下がりに歯止めがかからない。最大部数を誇る読売新聞は、昨年八月に朝日新聞が慰安婦報道検証記事を掲載して以降、全販売店に「朝日の読者を奪え」と号令をかけ、手当たり次第に販促グッズを配布。商売敵の失点に乗じた攻勢をかけたものの、蓋を開けてみれば二〇一四年上期から下期にかけて約三十万部も減らした。同時期に朝日は三十三万部減少しており、二大全国紙は結局共倒れだったのだ。なぜ、こんなことが起きたのか。そこには単なる新聞離れだけではなく、最前線の販売店が抱える問題が潜んでいる。
危機的な人手不足
一四年下期のABC公査によると、読売新聞の朝刊部数は九百二十六万部。前年同期の九百八十六万部から六十万部も落としている。読売関係者によれば「一年で六%も減らすのは前代未聞」。もはや一千万部などという数字は幻想に近い。朝日新聞の朝刊部数は七百十万部で、こちらは前年比で四十四万部の減少だ。
健闘しているといわれた毎日新聞も一四年上期から下期にかけて、朝刊部数三百三十万部で前年比五万部のマイナス。産経は二千部の減少でこらえ、百六十二万部だった。発行部・・・