日本郵政「守旧派復活」の腐臭
「超優遇」給与体系にみる放漫経営
2015年5月号
本当にこのまま突き進むのか―。
株式市場関係者の間で日を追って懸念が増しているのが日本郵政グループの株式上場問題である。アベノミクスの始動によって、ようやく、日経平均株価が二万円程度にまで回復した株式相場に打撃を与えかねないリスクが認識され始めているからだ。
株式上場のスケジュールが公表されたのは昨年十二月の西室泰三・日本郵政社長記者会見の場だった。日本郵政と子会社であるゆうちょ銀行、かんぽ生命という親子三社の同時上場を今秋にも実現するという内容である。上場に伴う一回目の政府株式売り出しは総額一兆三千億円規模。そんな巨大ディールが失敗すれば、確かに株式市場全体が動揺しかねない。
しかし、公表から四カ月が過ぎて、当初の予定通りであれば、上場日までわずか半年足らずというなかで、日本郵政の経営陣には「上場を目指す企業としてやるべきことをやっていない」(大手証券幹部)という批判が集まっている。
通常、上場で高く評価されるために企業が真剣に取り組むコスト削減の気配が微塵もみられないからだ。
退職金が高額な「濡れ雑巾」企業
日本郵政の二・・・