《企業研究》 テレビ朝日
「報道ステーション」去勢で始まる凋落
2015年5月号
かつては「振り返ればテレビ東京」と揶揄されていたテレビ朝日。二年前に四半期視聴率でトップをとった時に「椿事」といわれたのが遥か昔のことのようだ。生まれ変わったかに見えたテレ朝だったが、社内外に不安要素が山積したまま。六年目を迎える早河洋体制の歪みは社内を急速に侵食している。
現在のテレ朝を語るうえで「報道ステーション」問題を抜きにはできない。三月二十七日の放送中、コメンテーターを務めていた元経済産業省官僚の古賀茂明氏が突如、「今日で降板させられる」「官邸の圧力があった」と発言した。その場でキャスターの古舘伊知郎氏と口論のようなやり取りが繰り広げられたことで一気に騒動となった。
四月十七日には、自民党の情報通信戦略調査会がテレ朝役員を呼び出して聴取を行う事態にまで発展した。出席した自民党の小林史明衆議院議員は直後にこう語った。
「テレビ朝日の見解と古賀さんの見解が全く異なっている。まずはそこの整理からではないか」
「プロデューサー更迭」で官邸に屈服・・・