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日米同盟「形骸化」は止まらない

ダグラス・パール(カーネギー国際平和財団副所長)

2015年4月号

 ―安倍首相が訪米しますが、米国の反応はどのようなものになりますか。
 パール 今回の安倍晋三首相訪米について米国では誰も関心を払っていないし、興味もない。私自身は、安倍首相が米議会で演説することについて戸惑っている。戦後七十年間の平和の歩みについて語り、日米同盟の果たした役割を強調するというが、そんなことに一体どんな価値があるのか。少なくとも米国のメディアはなんらニュース価値を見出せないだろう。

 ―オバマ政権はなぜこれほど安倍政権に冷淡なのですか。
 パール 集団的自衛権の行使容認や、武器輸出解禁など安倍首相は米国からの要望に応えようとしている。しかしこれは宿題のようなもので、クリアしたからと言って褒め称えられるようなものではない。一方で、オバマ政権は安倍首相の言動の端々に見える強硬な保守色に警戒している。どんなに米国が与えた課題をこなしても、戦前の日本に回帰するような動きをすれば、米国からは歓迎されない。・・・