国民不在の「安保法制」論議
「政府広報」と化したメディアの大罪
2015年4月号
新聞、テレビで連日のように報道されている安全保障法制をめぐる動きは政府、与党の意向の垂れ流しと断じても決して過言ではない。集団的自衛権の行使容認、いつでも自衛隊を派遣できる恒久法、周辺事態法の改正、揚げ句の果てに自衛隊による邦人救出……。いったい、この洪水のように押し寄せてくる問題をどれだけの国民が理解できているのか。政治家ばかりか、国民に伝える義務を持つメディアでさえ消化不良のまま、アップアップしているのが現実だ。国民不在は疑う余地もなく、「政府広報」と化したマスコミの罪はとてつもなく重い。
朝日新聞連載も「提灯記事」
「切れ目ない危機対処が重要だ」(読売新聞)、「『仲間守る国』への前進だ」(産経新聞)。憲法改正を訴えて自衛隊の海外派遣に積極的な産経新聞、読売新聞はイケイケどんどんの論調を繰り広げる。「皆様のNHK」は客観報道の体裁を取りながら、要は安倍晋三首相の目線から実現したいことを日替わりメニューで電波に乗せているだけ。それよりもたちが悪いのは、一見すると批判的な報道に見せかけつつ、政府、与党に塩を送っている朝日新聞である。
とりわけ噴飯物は・・・