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社会・文化

「不正取引天国」と化した株式市場

悪徳相場師を摘発できぬ「監視委」

2015年4月号

 アベノミクスの恩恵か否かは別にして、日経平均株価は上昇し続けており、二万円という値も現実味を帯びている。 「市場が沸き立つ陰で、仕手戦やインサイダー取引を行う連中も巨利を得ている」  仕手グループなどに詳しい情報筋はこう語る。にもかかわらず、証券取引等監視委員会(監視委、SESC)による摘発件数は減少傾向にある。犯罪集団の手口が巧妙化すると、監視委の無能さばかりが際立ち、日本の株式市場は「不正取引天国」になっている。 「いまさらバブル紳士が捜査線上に浮上すること自体が、監視委の限界を示している。もっと他にやるべき事案はあるはずだが……」  全国紙社会部デスクは三月に行われた監視委の調査について呆れたように語る。三月十一日、監視委は仕手グループ「般若の会」の関係先を強制調査した。同会の元会長は加藤暠氏。一九七〇年代から巨大仕手集団を率いた超のつく有名相場師。事件記者からすれば「往年の大スター」のような人物だ。今回は、大がかりな相場操縦にメスが入ったわけではなく、容疑はホームページを使った「風説の流布」に過ぎなかったために拍子抜けだった。 検察への告発が「低調」・・・