阿鼻叫喚のLNGプラント企業
日揮・千代田化工は新規受注「ゼロ」に!?
2015年4月号
高値バブルに浮かれた液化天然ガス(LNG)産出国と資源業界が危機の淵に立たされている。二〇一四年二月に百万Btu(英国熱量単位)あたり二十・五ドルだった価格は今年二月に七ドルに暴落した。最も反動が大きいのが、わが世の春を謳歌してきた日本のLNGプラントメーカーだ。日揮、千代田化工建設の二社で世界シェアの七割を占める。プラントの大きな案件は五千億~六千億円が転がり込むが、それも追い風のときだけ。価格暴落により新規案件は相次いで中止や延期に追い込まれた。
これまでLNGの価格は原油価格と軌を一にしてきた。日本のLNG輸入価格には、原油価格に連動させる契約が結ばれているからだ。東日本大震災以降の電力不足と電気料金の値上げに苦悶してきた日本企業には有り難いが、LNG企業の顔面蒼白は隠せない。
LNG価格は一年前に史上最高を記録し、その輸出国やプラント企業は高笑いだった。新規のLNGプラント建設計画も予定され、プラント・メーカーも一兆~二兆円の巨額受注を目論んだ。今や、それも見果てぬ夢と化した。
大きく揺らぐ経営の屋台骨
もともとLNG価格は、そう高・・・