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経済

「日本郵政」は上場できるのか

大損の豪社買収の裏で「みずほ」が暗躍

2015年4月号

 今年最大の株式公開(IPO)イベント―。株式市場で騒がれているのが日本郵政グループの株式上場である。この民営化プロジェクトは早ければ今年秋にも実現される。だが今、その足元では疑問符を投げかけるような不可解な出来事が相次いでいる。いったい、この民営化劇はどうなるのか。  日本郵政グループの株式上場が正式に発表されたのは、昨年末の日本郵政社長による定例記者会見の場だった。しかもそこで明らかにされたのは、持ち株会社である日本郵政と、その傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命という三社同時上場を目指すという離れ業だった。 「主幹事証券団から三社同時上場がよいとアドバイスされた」  西室泰三社長が語ったのは主幹事証券会社からの「お勧め」に沿った決断という話だった。だが、いま、その主幹事証券の中からは、日本郵政グループに対して「いったい、どうなっているのか」という苦悩とため息まじりの声が漏れ始めている。その発端の出来事が浮上したのは二月十八日のことである。この日、日本郵政は、郵便事業子会社である日本郵便による豪物流大手、トール・ホールディングスの買収を発表した。その買収金額は日本円に換・・・