安倍と二階俊博の「奇妙な蜜月」
秋の総裁選は「べた凪」状態に
2015年4月号
首相安倍晋三の総理執務室に入ると、安倍の政治家としての思いを象徴するものが目に飛び込んでくる。一つは安倍の祖父で日米安全保障条約を改定した元首相岸信介が元米大統領アイゼンハワーと一緒に収まったプライベート写真。もちろんモノクロである。そして安倍の安全保障と外交の指南役で精神的にも安倍を励まし続けた元外交官の岡崎久彦が安倍に贈った書が壁に飾られている。
岡崎は第一次と第二次の二度の内閣で安倍が創設した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)のメンバーに名を連ね、昨年七月一日の集団的自衛権の行使容認をめぐる憲法解釈の変更に至る大きな道筋をつけた。安倍にとって大恩人の一人だ。
その岡崎は昨年十月二十六日、この閣議決定を見届けるように他界した。安倍は自らフェイスブックに哀悼の思いを書き込んでい
る。
「集団的自衛権の憲法解釈をはじめ、安保法制整備に向けてご尽力頂きました。心からご冥福をお祈りします」
岡崎の死去後、安倍は衆院解散を断行、第三次政権樹立まで一気に走り抜けた。この喧騒の中で岡崎の死が忘れ去られていたのかもしれない。その岡崎を偲ぶ会・・・