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政治

《政界スキャン》361

「九月政変」の芽は出てくるか

2015年3月号

 歴史にイフは許されないが、米国民の中にはいまだにあのイラク戦争なかりせば、と振り返る者がいるという。それだけあの戦争は米国に取り返しのつかない深刻なダメージを与えた。世界一の経済、政治、軍事パワーが減衰、「イスラム国」もまた鬼子とされた。

 二〇〇〇年の大統領選でブッシュではなくゴアが当選していたら、という声がそれに続く。ゴアならさすがにあそこまではやらなかった。無定見なおぼっちゃま大統領と、副大統領チェイニーらネオコン勢力とのコラボによる歯止めなき暴走が失敗の始まりだった。

 日本でも今、似たような懸念が生まれている。とにもかくにも自衛隊の海外派兵を拡大し米国のお役に立たんとする外務官僚と、大企業・経団連向けインフレ政策最優先の経産官僚がネオコンパワー化、これまた稀代のおぼっちゃま首相安倍晋三を担いで暴走中だ。

 安全保障法制では、保守本流の知恵とも言える専守防衛限定の非軍事路線を一転し、積極的平和主義の名のもとに自衛隊を地球の裏側まで派遣せんとし、財政・経済政策では、せっかく民主党政権でまとまった増税・社会保障一体・・・