ひび割れる自民党「地方組織」
農家と女性の離反で崩壊の瀬戸際
2015年3月号
「四月の統一地方選で自民党が敗北することはありえない。しかし、水面下では組織としての自民党は瀕死の状態」
閣僚経験もある自民党の重鎮議員は危機感を露わにする。有力野党が不在で自民党が比較強者となっている永田町で、自民党関係者の間でひそかに共有されている認識だ。世代交代の失敗により、地方の組織力衰退はもはや危険水域に達している。
冒頭の重鎮議員の指摘する通り、今回の統一地方選挙でも自民党は圧倒的な強さを見せるだろう。ただしそれは、民主党や維新の党などの野党が県議・市議候補の選定作業に難航していることが最大の原因だ。前回、二〇一一年の震災直後に行われた地方選で自民党が過半数を占めた多くの自治体の、勢力図が塗り替えられることはない。むしろ、前々回の「民主党ブーム」の余波でいまだに自民党が少数勢力に落ちている自治体では、再び自民党が主導権を握る結果になるとみられている。
「野党が情けないだけで、自民党が勝つわけではない。敵失だ」
自民党選対関係者はこう語る。十道県の知事選と五つの政令都市市長選で、自民と民主の対決となるのは二月現在では北海道知事選と札幌市長選、大分・・・