EUは「ギリシャ破産」を恐れず
「ユーロ圏離脱」でも止める気なし
2015年3月号
ユーロ圏を再び襲った「ギリシャ危機」は、金融支援の打ち切りの直前で、今年六月末までの四カ月間の支援延長になり、問題先送りで決着した。一月に就任したばかりの、アレクシス・チプラス首相にとっては、「借金国の居直り」が全く通じなかった形で、ギリシャは今後、国家破産かユーロ圏離脱かの道を選ばざるを得なくなる事態が濃厚だ。
チプラス首相の「反乱」は、一カ月ももたなかった。
ヤニス・バルファキス財務相との二人三脚で、欧州の各首都を席巻したものの、二月二十日の欧州連合(EU)財務相会合で、「猶予を四カ月やるから、出直してこい」との提案を最後通牒のごとく突きつけられ、屈服せざるを得なかった。ノーネクタイで、反エスタブリッシュメント色を前面に押し出す二人組にも、就任一カ月で、いきなり国家破産という選択肢はとれなかった。
チプラスは「一つの戦闘には勝ったが、戦争に全面勝利したわけではない」と、国民に苦しい説明をした。「三日でとりあえずの構造改革案を出せ」と命じられた。四カ月後までにきちんとした提案を出さなければ、一巻の終わりだ。
「実害は何もない」
ギ・・・