習近平の危うい「核威嚇外交」
中露結託の「新冷戦」始まる
2015年3月号
中国が核ミサイルで米国を威嚇する新冷戦外交を始めた。中国は今年、「抗日戦争勝利七十周年」を祝う。「反ファシズム戦勝七十周年」の勢いに乗ってウクライナへ軍事圧力を高めるロシアと歩調を合わせ、反米姿勢を強めている。
中国の習近平国家主席は二月の春節(旧正月)前に陝西省を視察した。文革時代、少年期の七年間を過ごした延安市の北の寒村を訪問し、空軍基地にも足を延ばした。中国の国営テレビのニュースには戦闘機や爆撃機の操縦席に座る習近平の映像が流れた。
ありふれた軍事基地視察のニュースに見えるが、軍事専門家から見ればこの爆撃機は、核ミサイルを搭載して飛ぶ戦略爆撃機、「H―六K」だとわかる。コクピット内部の画像が公開されるのは初めてだ。中国軍は二年前からH―六Kの情報を外部にリークしてきた。それによると、航続距離は九千キロ。九トンの爆弾が積め、巡航ミサイル「長剣―一〇」なら六基搭載可能だ。中国本土上空を飛ぶH―六Kから長剣―一〇を発射すると、朝鮮半島の在韓米軍基地、日本列島の在日米軍基地から、グアム島の米軍基地まですべて核攻撃が可能だという。
ロシアと核戦略で接近・・・