《クローズ・アップ 》岡田直敏(日本経済新聞社次期社長)
「喜多独裁体制」の親衛隊長
2015年3月号
六十八歳の社長から六十一歳の新社長へのバトンタッチ―。今やレトロか、アナクロニズムといってもいい社長交代だろう。一般企業であれば、新聞がチクリと刺すところだが、日頃、経済界の老害を批判し、若手抜擢を盛んに主張している日本経済新聞社の人事だけに経済界には苦く、冷たい笑いが広がっている。つい数週間前には三井物産の「三十二人抜き、五十四歳新社長」をしっかり称賛していただけになおさらだ。
一方、日経社内では「これでは何も変わらない」という諦めムードが一気に広がった、という。日経筋によれば、「変わらない」にはふたつの意味がある。
ひとつは経済部支配の継続。喜多恒雄社長と岡田直敏次期社長ともに日経の保守本流の経済部出身。日経ではリクルート事件による森田康社長の辞任を受け、急遽、登板した政治部出身の新井明氏を除けば、ほぼ一貫して経済部が社長を独占してきた。紙面編集はもちろん人事でも〝経済部帝国主義〟が続き、産業部、政治部など力のある記者がそろった他部は割を食っている。日経の報道の中心は明らかに企業モノなどのミクロやアベノミクスなど政治に移行したが、社・・・
一方、日経社内では「これでは何も変わらない」という諦めムードが一気に広がった、という。日経筋によれば、「変わらない」にはふたつの意味がある。
ひとつは経済部支配の継続。喜多恒雄社長と岡田直敏次期社長ともに日経の保守本流の経済部出身。日経ではリクルート事件による森田康社長の辞任を受け、急遽、登板した政治部出身の新井明氏を除けば、ほぼ一貫して経済部が社長を独占してきた。紙面編集はもちろん人事でも〝経済部帝国主義〟が続き、産業部、政治部など力のある記者がそろった他部は割を食っている。日経の報道の中心は明らかに企業モノなどのミクロやアベノミクスなど政治に移行したが、社・・・