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政治

試される安倍の「保守」

訪米と「談話」で中道路線に修正へ

2015年3月号

 東京・六本木の交差点に程近い路地裏にライブハウス「Abbey Road」がある。その名の通りザ・ビートルズのコピーバンドの生演奏が売りだ。二月十三日夜、この店に意外な客が訪れた。来日した米国務副長官のブリンケンだった。もちろんブリンケンが一人で来るはずはない。駐日米国大使のキャロライン・ケネディがエスコートした。さらにこの席には外務省の幹部数人も招かれていた。「Abbey Road」は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で日本でもすっかり名が知られるようになった米通商代表部(USTR)次席代表代行のウェンディ・カトラーのお気に入りという。米大使公邸にも近く、米政府関係者が息抜きに通うのだろう。いわば日米を壓ぐ、隠れた「サロン」と言っていいかもしれない。  ブリンケンはこの日、官邸で首相安倍晋三と会談をしている。会談には北朝鮮担当特別代表のソン・キムも同席しており北朝鮮問題についても意見交換が行われたが、最大のテーマは大型連休中に予定されている安倍の訪米をめぐる協議だった。ブリンケンは「ワシントンの公式訪問を心待ちにしている」と述べ、安倍の訪米を歓迎する意向を表明した。  ・・・