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連載

続・不養生のすすめ50

「孤独死」か「自立死」か

2015年2月号

 先月号で、今話題となっている「終活」をふくめ死生学の現況について述べた。死生学の中でもっとも多くの関心を集めているのは孤独死の問題であろう。この用語が広辞苑に初めて収録されたのは第六版(二〇〇八年)なので、それからまだ十年も経っていない。

 この広辞苑の定義では、孤独死は「看取る人もなく一人きりで死ぬこと。」とされている。統計上は死後四日以上発見されない場合を孤独死と操作的に定義している場合が多い。

 この孤独死というコンセプトは死生学において一般的と思われているが、実はかなり日本に特有のものである。筆者の教え子が孤独死をテーマに修士論文にとりかかったのは〇六年のことであった。彼女はいくら検索しても日本の孤独死のネガティブなメンタリティをもつ外国語は見出せないと報告してきた。これは彼女の無知や怠慢のせいではない。最近では、英語の辞書に孤独死の英語訳が収録されるようになったが、きわめて長いフレーズとなっている。日本の孤独死の定義からいうと、むしろ孤立死とすべきではないかという英語圏の言語学者もいる。

 先の大学院生のテー・・・