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連載

西風 405

愚かな都構想住民投票

2015年2月号

「せっかく都構想の断念寸前まで追い詰めていたのに……」  自民党大阪府議団の花谷充愉幹事長は、悔しさを滲ませる。最近ではすっかり影を潜めていた「大阪都構想」がゾンビのように復活した。政治記事が枯渇する中で、全国ニュースでも取り上げられているが、地元大阪の状況は複雑だ。  維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長が固執してきた都構想は、昨年十月に大阪府、市の両議会で否決された。しかし年末、公明党が突如として構想への賛否を問う住民投票にかける方針に転じた。五月に行われる投票で過半数の賛成を得れば二年後には大阪市が消滅して大阪都が誕生するという。  昨年十二月の解散総選挙前後での維新、公明両党の動きはすでに報じられている通り。都構想を潰した公明党の候補が立つ選挙区からの出馬を公言していた橋下市長は、公示直前に不出馬に転じた。背後には官邸の仲裁による、維新と公明の住民投票実施の密約があったとされる。  しかし、公明党と一口に言っても党本部・国会議員と府議会議員ではまったく様相が異なる。頭越しに決められた方針に、公明党大阪府本部は戸惑いの色を隠せない。ある幹部は「住民投票での否決・・・