「テロの温床」と化すマレーシア
「イスラム過激派」アジアでの拠点に
2015年2月号
マレーシアは、イスラム国家の中では「穏健派」とみられてきた。イスラム過激派についても、同じ東南アジアで世界最大のムスリム人口を抱える「インドネシアと比較して、対策を講じてきた」(米政府筋)と認識されている。しかし実際のところ、マレーシアは羊の皮を被っているだけなのだ。同国は、国際的なイスラム過激派の「ヒト・モノ・カネ」の一大拠点となり、テロの温床になっている。
緩すぎる「出入国管理」
年明け、欧米諸国を震撼させた「シャルリー・エブド事件」。並行してユダヤ系食料品店で人質をとって立てこもり、最終的に射殺されたのがアメディ・クリバリ容疑者だ。テレビ局の取材で実行犯「クアシ兄弟との連携」を示唆した同容疑者の共犯とされる内縁の妻はシリアに逃亡中とみられている。
このクリバリ容疑者と妻が、過去にマレーシアに滞在していた可能性が指摘されていることは知られていない。マレーシア警察のカリド長官は「二人が入国した事実はない」と否定するが、欧米の情報筋は「偽造パスポートを使って入国した可能性がある」とみている。さらに、マレーシア北部のジャングルで二人が軍事訓練を受けて・・・