知られざる イラン「宗教財団」
シーア派テロ組織を支える「資金源」
2015年2月号
世界中がスンニ派の脅威に恐れおののいている。
フランスのみならず欧米全体を震撼させた「シャルリー・エブド事件」では、実行犯が「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」から支援を受けていた。日本では、日本人人質二人の殺害予告を行い、すでに一人を殺害したとみられる「イスラム国(IS)」の話題がメディアを埋めた。
「世界の目がスンニ派過激派に向く中で、イランを背後にしたシーア派組織の伸長が危険水域に達している」
サウジアラビアの過激派専門家はこう警鐘を鳴らす。折しも、スンニ派の盟主であるサウジのアブドラ国王が逝去した。各地の過激派を支援してきた湾岸諸国の動きに不透明感が増す中で、国際社会が気づかぬうちにシーア派の脅威が増大している。
イランの「聖域マネー」
昨年十二月、イラン財政に関する興味深いニュースが報じられた。内容を要約すれば「財政危機のイラン政府が宗教財団への課税を検討」というものだ。日本ではほとんど注目されなかったが、実はイランでは「大事件」といっても過言ではない。イラン現地紙記者が解説する。
「これまでであれば、宗教財団に・・・