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経済

トヨタ燃料電池車は「張子の虎」

「特許開放」の哀れな裏事情

2015年2月号

「燃料電池自動車(FCV)の特許を開放する」―。トヨタ自動車の発表はあまりに唐突だった。表向きの理由は「FCVの普及のため」とまるで公共へのご奉仕のようだが、内実はそんな美談ではない。真の狙いはハイブリッド車(HV)に続き、またも「ホンダ潰し」というのだ。トヨタの命運を握っているHVでならばともかく、なぜ次世代技術のFCVでホンダの動きを牽制するのか。 技術力ではホンダと雲泥の差 「一月五日が自動車業界にとってターニング・ポイントになる」と、ボブ・カーター米国トヨタ自動車販売上級副社長はぶちあげた。米ラスベガスで開かれた米家電見本市(CES)開幕前日の記者会見で、トヨタが保有する約五千六百八十余件のFCV関連特許を公開し、無償提供すると発表したのだ。燃料電池スタックや高圧水素タンク、システム制御などの燃料電池システムについては二〇二〇年末まで、水素ステーションについては無期限で、特許実施権が無償となる。  翌六日の自動車工業団体新春賀詞交歓会で豊田章男社長は「オール・プラネット、オール・ジャパンで水素社会を実現させるための決断だ」と胸を張った。マスコミは・・・