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政治

「尖閣の日」式典の自民党出席者ゼロ 中国政府への配慮か

政治●情報カプセル

2015年2月号

 一月十四日に沖縄県石垣市で開かれた「尖閣諸島開拓の日」の記念式典に、自民党国会議員の出席者はゼロだった。

 明治二十八年(一八九五年)のこの日、日本は尖閣諸島を領土に編入した。石垣市では二〇一一年から記念行事を開催してきたが、今年出席した議員は民主党と次世代の党からの二人だけだった。

 昨年の式典には、自民党の国会議員が出席したほか、安倍晋三首相が党総裁の名でメッセージを寄せていた。今年は、自民党組織運動本部長の田中和徳氏がメッセージを送っただけだったため、「温度差」があからさまになった。

 この前日十三日には、尖閣周辺を念頭に日中の偶発的な衝突を回避するため、防衛当局間の「海上連絡メカニズム」の早期運用に努めることで両政府が合意したと中谷元防衛相が明らかにした。

 このため、自民党議員の不参加は、「中国に配慮したのではないか」(石垣市関係者)とみられている。また、「式典直前に、中国側が対話開始を匂わせて、政府・自民党の動きを牽制した可能性がある」(防衛省筋)という。地元沖縄県選出の議員さえ顔を出・・・