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経済

日本再生の「処方箋」

デイヴィッド・ピリング(フィナンシャル・タイムズ紙アジア編集長)

2015年1月号

 ―長年の低迷が染みついてしまった日本経済に光明はありますか。

 ピリング 私は日本の将来を悲観的に見ていない。海外では、日本は永久的なリセッションに陥り、脱工業化ができなかった失敗国家と断じる論調が多く見られる。中には「日本崩壊」を本気で信じる向きさえある。日本人も同様の考えを持つ人がなぜか多い。こうした日本の「死亡宣告」はすべて誤診だ。日本は敗戦という壊滅的状況から這い上がった国家だ。過去に現在よりも厳しい逆境は幾度となくあったがそのたびに復活してきた。将来、東日本大震災もその一つに数えられるだろう。私は日本人には今もそのパワーがあるし、困難な状況を打破することができる民族だと考えている。


 ―借金が一千兆円を超えた日本の財政は危機的状況ではないですか。

 ピリング もちろん放置していい問題ではない。ただし、日本の国債による借金のほとんどすべては国内で完結している。長期に・・・