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中国の異常な 「国民監視」体制

民主化運動「完全封殺」は続く

2015年1月号

 三カ月に及んだ香港の民主化運動「雨傘革命」。最大拠点だった香港島のアドミラリティ(金鐘)のデモ隊が十二月十一日に強制排除された。香港警察はこの日、二百四十九人を逮捕している。この中で中国大陸からの参加者はたった一人だった。人口わずか七百万人のこの小島に、中国大陸から年間四千万人以上の人間が押し寄せるにもかかわらず、香港で戦う市民に呼応する中国人は思いのほか少なかったのだ。  中国国民が共産党体制への不満を溜めていることは、さまざまな媒体を通じて報じられている。毎日各地でデモが起き、地方では暴力的な抗議活動も珍しくない。一方で、共産党政府を脅かす大規模な運動が一向に起きないのはなぜか。過去に苦汁を舐めた経験から、世界一の監視体制を構築した中国公安当局の存在抜きには語れない。 軍を凌駕する公安当局  アドミラリティが怒号と悲鳴に包まれている頃、北京の天安門広場にはいつもと変わりない日常があった。外国人はもちろん中国国内からの旅行者が思い思いに写真撮影に興じていた。香港で逮捕された唯一の大陸住民である王と名乗る中年男性は、地元ラジオ局にこう語っている。 ・・・