中国にひざまずくロシア
経済依存で進む「属国化」の哀れ
2015年1月号
ロシアの苦境が深まっている。ウクライナをめぐる米欧の制裁に加え、輸出の七割を占める石油、天然ガスの価格急落、それに伴う通貨ルーブルの暴落で、ロシア経済は破綻に向けて加速している。今、頼りにできるのは天然ガス、電力から穀物、原子力発電所、戦闘機まで買ってくれる中国のみ。かつて社会主義の指導国として中国を下に置いていたロシアだが、中国との上下関係は逆転した。しかし、その中国とて成長に急ブレーキがかかり、ロシアが全面依存できるほどの余裕はない。世界は中露経済の同時ハードランディングを目にすることになるかもしれない。
ロシアの破綻を世界が黙認
「暁のサプライズ」。昨年十二月十六日未明、ロシア中央銀行は政策金利を一〇・五%から一七%に六・五ポイントも引き上げ、世界の金融市場を驚かせた。ルーブル売りを阻止するためのショック療法だったが、かえってロシア経済の実態への懸念が深まり、ルーブルは一段と下落した。
ロシアは昨年三月のクリミア併合で米欧からの制裁を受けたが、プーチン大統領の妥協しない姿勢はナショナリズムを高揚させ、国民の支持率は一時、八〇%を超えた。・・・