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経済

インドで沈むトヨタ

密かに開発「新小型車」の暗い先行き

2014年12月号

 インド首都デリー郊外のインディラ・ガンディー国際空港。トヨタ自動車のチェコ工場から空輸された「あるモノ」が十月七日、密かに荷揚げされた。トヨタのインド子会社トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)本社は、同国南部バンガロールにある。遠く離れた北部デリーを経由する理由は何か。しかも、この日の前後は祝日だ。人目につかぬ日時と場所を選んでいる。「モノ」は祝祭ムードに包まれた街を後にし、陸路で閉塞感が漂うTKMへと向かった。 「ダイハツ第一弾ではないか」(日系現地業界筋)と囁かれはじめた積み荷の中身は、欧州Aセグメント向け小型車「アイゴ」。仏PS A・プジョー・シトロエンとの合弁会社で開発、生産した小型車で、ブランドはトヨタになる。「研究開発目的のアイゴは既にインドに輸入されて三台目」(同)というが、トヨタからは次の小型車開発について何の発表もない。  アイゴはTKM最小の小型ハッチバック車「エティオス・リーバ」より小さい。仮に同車をベースにした小型車を開発するならば「エティオス・リーバより下のランクはもう造らない」(TKM会長)とした発言に矛盾する動きだ。謎である。「最初に輸入・・・