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社会・文化

亡国の「沖縄鉄道計画」

税金「七千億円」壮大なムダ事業

2014年12月号

「翁長が勝ったから、沖縄振興予算はしばらく減ることはない」  地元建設会社の幹部はこう語る。十一月十六日に投開票が行われた沖縄県知事選挙で、翁長雄志前那覇市長は現職の仲井眞弘多氏に約十万票の差をつけて勝利した。圧勝した翁長氏は、改めて米軍普天間基地の県外移転を求めている。総選挙後に、政府は難しい立場に追い込まれるが、「そのほうが都合がいい」と、この幹部は語る。  革新勢力の協力を得た翁長氏が、いきなり手のひら返しをすることはない。政府はあの手この手でアメを繰り出さざるを得ない。振興予算カットなどムチを出せば、むしろ問題はこじれてしまう。政府が想定する振興策には、カジノ建設や国際医療拠点などがあるが、切り札になるのが鉄道建設だ。  知事選が告示された十月三十日、出陣式で仲井眞氏は支持者にこう訴えた。 「『南北縦貫鉄道』もほぼ調整が終わっています。那覇空港のもう一本の滑走路(建設)の後は直ちにこれが立ち上がるように安倍総理に話をしております」  臆面もなく政府に振興予算を要求する姿はむしろ清々しささえ感じるが、仲井眞氏は沖縄の悲願である鉄道建設を強くアピールし・・・