みずほ「独り負け」の深刻な事情
「過去の悪事」と逆ザヤが経営を蝕む
2014年12月号
「一兆円奉加帳増資に、二度にわたる大規模システム障害や暴力団融資……長年、取引先を泣かせ、迷惑をかけ続けたツケが回ってきているのではないか」―グループ内からはこんな呻きも漏れる。
十一月中旬出揃った三大メガバンクの二〇一四年度上期(四~九月期)決算。黒田(=東彦氏)日銀による異次元緩和の煽りで運用環境が一段と悪化、各行とも収益の柱である国内資金利益が目減りするなか、とりわけ「衝撃的」(金融筋)だったのがみずほ銀行(BK)だ。一三年度の時点で〇・〇〇%だった総資金利ザヤが半年の間に一気に低下、〇・〇六%もの逆ザヤに陥ったのだ。
無論、逆ザヤはBKだけではない。三菱東京UFJ銀行(BTMU)もマイナス〇・〇七%とBKを上回る逆ザヤだ。しかし、BTMUのこの半年間の悪化幅は〇・〇四%。それにBKの国内資金利益への依存度が四〇・四%と四割を超えているのに対し、BTMUは依然、最大の収益源には違いないにせよ、その比率は三二・一%に過ぎない。つまり、逆ザヤ構造がもたらす負のインパクトは、BKの方がより顕著な形で表れるということになる。
一兆円奉加帳増資が致命的
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