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経済

《企業研究》キリンホールディングス

「ビール界の盟主」にはもう戻れない

2014年12月号

 底割れ―とでも言ったところか。キリンの凋落にまさに歯止めがかからない。

 十一月上旬に出揃ったビール大手四社の二〇一四年第3四半期(一~九月)決算。キリンホールディングス(HD)は、五月に買収した米ビーム社の収益が上乗せされたサントリーHDに一段と利益格差を広げられたばかりか、売上高では三千億円超もキリンを下回っているアサヒグループHDにも追い抜かれ、ついに三位にまで転落してしまったのだ。

 二月から本格投入したプレミアムビール「ドライプレミアム」のヒットなどで、アサヒが過去最高益を塗り替える前年同期比五・二%増、八百八十一億円の営業利益をたたき出したのに対し、キリンはビール、清涼飲料、海外飲料、医薬・バイオケミカルの主要四事業が「ほぼ壊滅状態」(キリンビバレッジ関係者)。営業利益八百七億円と同二四・八%の減益に陥ったためだ。

 キリンが公式スポンサーとなったサッカーワールドカップブラジル大会日本代表と同様「惨敗」(Jリーグ関係者)に終わった結末に、もはや白旗を上げるしかなかったのだろう。決算発表に合わせて、一四年通期・・・