三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

《政界スキャン》357

仮説としての「年内解散」

2014年11月号

 安倍晋三政権にとって打撃だった女性二閣僚「W辞任」事件。野党の徹底追及が実を結んだのか、それとも官邸が素早く動き傷口の広がりを避けたのか。

 一夜明けた十月二十一日、参院某委員会室で、自民ベテランの鴻池祥肇が野党議員をからかった。
「お前ら下手やな。同じ釣るんであれば、一匹残しておいて、来年までコツン、コツンとやっておいて、三月くらいに釣り上げたらいいんだよ」

 趣旨は、小渕優子(経済産業相)、松島みどり(法相)を一緒に辞めさせるのではなくて、一人ずつじっくり料理した方が、野党にとってうまみがあったはずだ、という見立てだ。特に、二匹目のドジョウは、浮きの当たりだけ取って(泳がせて)おいて、時間をかけて釣り上げるべきだった。

 鴻池といえば、官房副長官(麻生太郎政権)や国対委員長(参院)を務めた国会対策のプロ。参院予算委員長時代は、当時国土交通副大臣だった松島の答弁が長いのを何度も注意、それでもきかぬ松島を「委員会を冒必した」として委員長権限で異例の委員会出入り禁止処分にした当人である。

・・・