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政治

日米防衛協力で「暴走」する外務省

戦争参加に道開く「危険な野心」

2014年11月号

 安倍内閣は自衛隊と米軍の役割分担を定める日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定に向けた中間報告を十月に公表した。核心は集団的自衛権の行使容認の閣議決定に基づく自衛隊の任務拡大で、戦争参加に大きく道を開く危険性を内包する。現在のガイドラインは平時、周辺事態、日本への武力攻撃事態(日本有事)―に分類。中間報告は切れ目ない協力が必要として、この区分けを撤廃した。この動きを操るのは米国でもなければ、防衛省でもない。軍事力を外交カードとすることを積年の悲願としてきた外務省である。 湾岸戦争のトラウマ  ガイドラインの改定方針は昨年十月に日米安全保障協議委員会(2プラス2)で決まった。日本有事を想定した一九七八年の旧ガイドライン、朝鮮半島有事に備えた九七年の現ガイドラインは米側の要望で定められたが、今回は日本側が見直しを提案した。中国の軍事的な台頭を踏まえ、尖閣諸島の防衛などを盤石にするために集団的自衛権の行使容認をカードとして、米側の関与を確実にしたいとの思惑だった。  逆に言えば、米側は現状に大きな不満がなかったと言える。2プラス2の合意から断続的に続く日米交・・・