プーチンが怯える「ジハード」
ロシアで伸張する「イスラム国」
2014年11月号
ロシアのプーチン大統領が、「イスラム国」(IS)に怯えている。北カフカスを拠点にしていたアルカーイダ系のイスラム過激派の多くが、台頭著しいISにくら替えし、ロシア政府に対する攻撃を公言しているためだ。カフカス地方はシリア、イラクに地理的にも近く、中東からカフカス一帯に混乱が広がる可能性が高い。
新冷戦まっただ中の米国とロシア。十月中旬、ジョン・ケリー国務長官とセルゲイ・ラブロフ外相が、パリの米大使公邸で珍しく三時間も会談し、カメラの前で熱心に話し込む姿まで見せた。
「雪解け到来かと報じる向きもありましたが、議題はウクライナではなくイスラム国対策で、ロシア側が米国に『情報共有』を頼んだ」と、在パリ特派員が言う。
「ロシア人に目に物見せてやる」
プーチン政権が震えたのは、理由がある。IS軍事部門の幹部オマル・アル・シシャニが最近、グルジアのパンキシ渓谷に住む父親に電話した。米ブルームバーグによると、「息子は『父さん、だいじょうぶだよ。俺も故郷に戻って、仲間と一緒に、ロシア人に目に物見せてやる』と言っていた」と父親が明らかにした。
シシャニ・・・