「エボラ蔓延」主犯はイスラム組織
武器・麻薬「密貿易」で感染拡大か
2014年11月号
ナイジェリアでの終息宣言(十月二十日)の直後にマリでの初感染者が発見され、続けて米国での新たな感染者がみつかった。エボラ出血熱の脅威を「対岸の火事」だと考える日本の想像以上に、欧米は震撼している。今回の感染がここまで国際的に広がった原因についてはいまだ不明だ。アフリカ取材経験の長いフランス人ジャーナリストが語る。
「ウイルスの『キャリア』となったのはアフリカをまたにかけて非合法物流を担う犯罪組織や部族だという疑いが濃くなっている。この裏付けとなる事実が浮かび上がってきた」
犯罪組織は中央アフリカから西アフリカ、北アフリカまでのエリアで跳梁しており、武器や麻薬はもちろん密猟動物なども取引している。武器・麻薬の流通は、過去の感染時と比べると飛躍的に増加した。最大の原因はアフリカにおけるイスラム過激派の伸張だ。
今年前半、相次いで伝えられていたアフリカ諸国におけるイスラム過激派のテロ行為はエボラ報道の陰にすっかり隠れてしまった。しかし、ナイジェリアの「ボコ・ハラム」、アルジェリアを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ」(AQIM)などはいまだに活動を続けて・・・