《クローズ・アップ 》水野明久(中部電力社長)
東電との提携「苦渋の決断」
2014年11月号
一九五一年に九電力体制が発足して以来、電力会社のトップがこれほど熱く手を握り合ったのは初めてだろう。十月七日、中部電力の水野明久社長と東京電力の廣瀬直己社長は火力発電分野での包括提携に基本合意し、記者発表の場で握手を交わした。
液化天然ガス(LNG)、石炭など上流開発への参加、燃料調達から火力発電所の新設・リプレースまでを折半出資する新会社に移管し、共同で進めていこうというアライアンスだ。五年前であれば想像すらできなかった業界内の連携であり、電力業界が再編に向かい始めたことを予感させる動きといえる。
立役者は水野社長といっていいだろう。福島第一原発事故の処理と賠償に苦しみ、単一では世界最大の原発である柏崎刈羽原発の再稼働もできない東電にとって頼みの綱となった火力発電の強化は喫緊の課題。「新・総合特別事業計画」で他社との火力部門の共同化を打ち出したのはやむを得ない選択肢だった。それにいち早く反応したのが中部電であり、東京ガスや関西電力、JX日鉱日石エネルギーなどを押しのけて、東電のパートナーの座を勝ち取った。
中部・・・
液化天然ガス(LNG)、石炭など上流開発への参加、燃料調達から火力発電所の新設・リプレースまでを折半出資する新会社に移管し、共同で進めていこうというアライアンスだ。五年前であれば想像すらできなかった業界内の連携であり、電力業界が再編に向かい始めたことを予感させる動きといえる。
立役者は水野社長といっていいだろう。福島第一原発事故の処理と賠償に苦しみ、単一では世界最大の原発である柏崎刈羽原発の再稼働もできない東電にとって頼みの綱となった火力発電の強化は喫緊の課題。「新・総合特別事業計画」で他社との火力部門の共同化を打ち出したのはやむを得ない選択肢だった。それにいち早く反応したのが中部電であり、東京ガスや関西電力、JX日鉱日石エネルギーなどを押しのけて、東電のパートナーの座を勝ち取った。
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