双日「インド事業」が暗礁に
工業団地開発「頓挫」で大火傷
2014年11月号
総合商社「双日」がインドで進めてきた七年越しのプロジェクトが暗礁に乗り上げている。今夏にも稼働する予定だった工業団地はいまだに土地買収すらままならず、開業のめどがたっていない。原因は途上国特有の壁だけでなく、双日自身の驕りにもあるという。
問題となっている「双日マザーソン工業団地(SMIP)」の予定地は、インド南部タミル・ナドゥ州の州都チェンナイの南西四十五キロにある。名前を見てもわかる通り、双日と現地企業「マザーソン・グループ」が共同で進めているプロジェクトだ。インド地元紙記者が語る。
「開発構想は二〇〇七年ごろからスタートし、初期段階から双日が主導権を握っていた」
一〇年一月には運営事業体として「マザーソン・オート・ソリューションズ(MAS)」が設立された。総開発面積は百十五ヘクタールで、そのうち七十五ヘクタールを分譲。日系自動車関連企業を中心に五十社を誘致、入居させる目論みだった。当時、日産自動車のインド事業がタミル・ナドゥ州で進行していたことを当て込み、日系企業を囲い込もうとしたのだ。
州政府に足元みられる
遅々として計画が進・・・