「ウォール街叩き」に走る米政界
余波に揺られる「円・日本株」
2014年11月号
アメリカの中間選挙で、オバマ大統領の民主党政権は、ウォール街叩きを進めている。今回の目玉は銀行・証券部門の分離(銀証分離)だが、肝心の米銀はすでに対処済みで、主たる標的はライバルの欧州各行になる見込み。しかも、一連の動きでは、円相場と日本株が一番のとばっちりを受けるというから、穏やかではない。
米銀の格付けは急降下
「ウォール街叩きだって? もうとっくにサンドバッグみたいに叩かれているぜ」。電話取材したヘッジファンドの売り専用型のマネジャーはこうまくしたてた。十月中旬のNY株の大幅下げについては、「俺はこの街の反乱だと思ってるんだ」と言った。
オバマ政権が進めるのは、来年七月二十一日に順守期限が迫ったボルカー・ルールと、「二十一世紀版グラス・スティーガル法」と呼ばれる、銀証分離法案だ。この法案は昨年夏に提案され、最近のオバマ人気の急低下につれ、再導入説が取りざたされている。業界では、ボルカー・ルール順守期限の「延長」を求める声が強いが、すでに米銀の多くはトレーダーズフロアをなくすなど、オバマ政権の規制強化に向け、対応を急いでいる。
確かに、リ・・・