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政治

安倍一強の「潮目」が変わった

菅義偉「奪権闘争」の内幕

2014年11月号

「石原(伸晃)」「川崎(二郎)」「大島(理森)」……。最近、自民党職員の間で話題になっているのが幹事長谷垣禎一の荒っぽい語り口だ。内輪の会合とはいえ党所属議員を呼び捨てにする。谷垣と言えばソフトで温厚なイメージのジェントルマンと見られてきた。二〇〇〇年のいわゆる「加藤の乱」で大粒の涙を流し、二〇一二年の自民党総裁選では現職総裁にもかかわらず出馬断念に追い込まれるなど、「ひ弱さ」が付きまとっていた。首相安倍晋三が谷垣を幹事長に起用したのも「谷垣なら寝首をかくことはない」(安倍側近)という思惑があったからにほかならない。  ところが幹事長に就任すると、谷垣は態度を一変させた。所属国会議員を呼び捨てにするだけではない。安倍に向かっても公然と“対等感”をアピールした。 「総理に対して失礼だが、(第一次政権当時と比べて)随分成長した」(十月二十四日のインターネットテレビ)  いくら年長の総裁経験者とはいえ、現職首相に対する評価としては異例の発言と言っていい。なにが谷垣をここまで強気にしたのか。その背景には安倍の求心力の低下がある。仮に安倍が権力の座から降りるという事態になれば、谷垣・・・