米自動車ビッグ3は再び倒壊する
膨張する「ローンバブル」の危険度
2014年11月号
「米国上場によりFCAは世界的な自動車メーカーに向け、第一歩を踏み出した」。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は十月十三日、ニューヨーク証券取引所でフィアット傘下でのクライスラー再建の一里塚である再上場を果たしこう述べた。二〇〇九年に一千四十万台まで沈んだ米国自動車市場は「V字回復」を遂げ、今年は一千六百五十万台に達する見込みだという。これは金融危機前〇七年の一千六百十五万台をも大きく上回る。「我々は来年には一千七百万台に達することができると考えている」「一千六百八十万台から一千七百五十万台を予測し、準備している」。フォード・モーター米州部門社長ジョー・ヒンリクス氏も、こうぶちあげる。危機前の住宅バブル時でさえ超えられなかった史上最高の一千七百四十万台(二〇〇〇年)が視野に入っているというのだ。再び勢いを増しているかにみえる新生ビッグ3だが、「モラルなき金融」に依存した威勢の先にあるのは再倒壊だ。
「ホームレスでもローンを組める」
サブプライム自動車ローンが再び金融上の問題とされつつあることは・・・