「官邸記者クラブ」最近事情
「政治記事」が面白くない理由
2014年11月号
「最近の政治面は面白くない」(自民党古参閣僚経験者)と言われる。政治部の最前線、官邸の記者クラブを見ると、現在の政治部が抱える問題点が浮き彫りになる。
東京永田町の首相官邸。一階にある記者クラブには、全国紙のほか通信社、一部ブロック紙などと、放送局の記者百数十人が所属している。官邸クラブ、永田クラブと称されることが多いが、正式名称は内閣記者会だ。各社の陣容はさまざまで、朝日、読売が二十人ほどの記者を配置している一方、産経などの小所帯では六人程度だ。
「官房長官番が機能していないことが政治記事停滞の原因」
大手紙政治部のベテラン記者はこう解説する。官邸の記者の担当は大まかに分けて三つ。総理番と官房長官番、その他の副長官や内閣補佐官などを担当する番記者だ。総理番は地方支局から本社に上がってきた駆け出しの記者がまずやる仕事として知られる。首相がどこで誰と会ったかを逐一報告する「連絡係」に過ぎない。
渡されたペーパーで満足する
官房長官番は基本的に各社一人。霞が関、永田町のすべての情報が集約される長官の担当者として期待されるポジションで、三十代・・・