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連載

西風 401

兵庫独自の「共助」の取り組み

2014年10月号

 この夏、日本各地を未曽有の豪雨が襲った。「数十年に一度」のはずの特別警報が乱発され、もはや「特別」ではなくなった。  中でも広島市では七十四人が死亡する大災害が発生して大きな爪痕を残したことは記憶に新しい。被災者にとっては倒壊した自宅をいかに再建するかが最も切実な問題になる。再建が果たせない人々は移転するしかなく、結果として被災地域は人口減によって活力が低下、衰退を免れない。そのために、国からの支援金制度があるが、東日本大震災の例をみても十分とはいえないことは明らか。  広島の甚大な被害に隠れてしまったが、八月中旬に大雨による大きな被害に見舞われたのが兵庫県と京都府にまたがる地域だ。隣接する地域でありながら、兵庫にあって、京都にはないものがある。  フェニックス共済―。災害からの一日も早い住宅の再建を目指すために兵庫県が独自に設け、運営している制度だ。一九九五年に発生した阪神淡路大震災の教訓を生かし、二〇〇五年にスタートした県民による「共助」の仕組みで、全国でも兵庫県にしかない。  兵庫県内に住宅を持つ人が年間五千円の負担金を支払うと、地震、津波、台風、洪水、・・・