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「エボラ蔓延」WHOの大罪

製薬企業と「共犯」で貧者を見殺し

2014年10月号

 過去最悪となったエボラ出血熱の感染拡大は、終息の見通しが立たない。九月二十三日に米国疾病対策センター(CDC)は「来年一月までに最大百四十万人が感染する」という絶望的な予測を発表した。その中でCDCは、世界保健機関(WHO)の実態把握や推計が甘すぎると批判している。  実はWHOへの批判は米国だけでなく各方面から出ている。エボラを軽視して拡大させた挙げ句に、なんら対処できない。ここまで事態が悪化した背景には、WHOという組織そのものの問題のほか、製薬会社との「癒着」も関係している。日本人がなにかにつけて有り難がる国際機関の実態は、厚生労働省と同等かそれ以上にひどい。 「蛙を鍋に入れると、最初は気持ちよく泳ぐが、そのうち茹でられてしまう。今のWHOがまさにその蛙だ」  国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」のブリス・ドゥ・ル・ビーニュ事業部長はロイター通信のインタビューに対しこう答えた。ぬるま湯につかったWHOの状況認識の甘さと、「手遅れ」となりつつあるエボラ対策を痛烈に批判したのだ。 ワクチンの荒稼ぎに「貢献」  今回の西アフリカにお・・・