《企業研究》朝日新聞社
未曽有の危機で「超」優良企業から転落
2014年10月号
西山事件の二の舞いか―朝日新聞社社員らの間に今、こんな恐怖と不安が急速に蔓延しつつあるとされている。
西山事件とはいうまでもない。一九七一年の沖縄返還協定に絡み、毎日新聞社政治部の西山太吉記者が取材上知り得た機密情報を社会党所属の国会議員に漏洩したとして、国家公務員法違反(教唆の罪)で有罪となった事件だ。
が、その余波は単なる一記者による暴走取材の域にとどまらなかった。事件の舞台となった外務省の内部調査やその後の公判の過程などで、西山記者が当初から情報を入手する目的で女性事務官に近づき、肉体関係を結んだうえで機密文書のコピーを持ち出させていたことが判明。報道の自由を盾に紙面で取材活動の正当性を主張していた毎日新聞自体も、女性層を中心とした世論の厳しい指弾を浴びることになったのだ。
そして非難の矛先は毎日の草の根不買運動へと向かい、同社の発行部数は急減。会社としての屋台骨が徐々に揺らぎはじめ、七二年の事件発覚から五年後の七七年、ついには債務超過に陥って経営破綻にまで追い込まれる。金融機関の支援の下、受け皿会社の新・・・・
西山事件とはいうまでもない。一九七一年の沖縄返還協定に絡み、毎日新聞社政治部の西山太吉記者が取材上知り得た機密情報を社会党所属の国会議員に漏洩したとして、国家公務員法違反(教唆の罪)で有罪となった事件だ。
が、その余波は単なる一記者による暴走取材の域にとどまらなかった。事件の舞台となった外務省の内部調査やその後の公判の過程などで、西山記者が当初から情報を入手する目的で女性事務官に近づき、肉体関係を結んだうえで機密文書のコピーを持ち出させていたことが判明。報道の自由を盾に紙面で取材活動の正当性を主張していた毎日新聞自体も、女性層を中心とした世論の厳しい指弾を浴びることになったのだ。
そして非難の矛先は毎日の草の根不買運動へと向かい、同社の発行部数は急減。会社としての屋台骨が徐々に揺らぎはじめ、七二年の事件発覚から五年後の七七年、ついには債務超過に陥って経営破綻にまで追い込まれる。金融機関の支援の下、受け皿会社の新・・・・