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社会・文化

自浄作用なき「新聞協会」

業界全体の危機でも醜い「内輪もめ」

2014年10月号

 十月十五日から「新聞週間」が始まる。これに合わせて日本新聞協会は、新潟県で第六十七回新聞大会を開催する。  式典のメーンイベントは新聞協会賞の授賞式。九月三日、協会の選考委員会は今年度の協会賞編集部門について、朝日新聞の「『徳洲会から猪瀬直樹・前東京都知事への五千万円提供をめぐる一連のスクープ』と関連報道」を選出した。  これを恨めし気に見るのが産経新聞だ。徳洲会問題について、産経は新聞各紙を出し抜いて独走していた。德田毅衆院議員を辞任に追い込んだ選挙違反事件についていち早く報じていた。ただし「週刊誌と同じ情報源に頼ったために『独自報道』の色が薄れた」(産経社会部記者)ため落選した。  協会賞は純粋に優れたスクープ報道に贈られるかというと、そう単純でもない。他を圧倒する記事がなければ「選考分科会や選考委員会内部の独特の力学で決まる」(業界関係者)。特に発言力の強い読売新聞や朝日という有力紙のつばぜり合いによって、他社が棚ボタで賞を得ることもある。  また、他社の後追い報道がなければ受賞できないという不文律もある。六月、朝日社内では今年度の協会賞応募を巡り、「徳・・・