習近平が「南京大虐殺」を煽る真意
日中関係に改善の見込みなし
2014年10月号
九月十八日は、満州事変の発端となった柳条湖事件、中国では「九・一八事件」の記念日。毎年、旧満州を中心に記念行事が行われる。今年はそれが格上げされた。
遼寧省瀋陽市の「九・一八歴史博物館」で行われた式典に劉雲山
・共産党中央政治局常務委員が出席した。政治局委員の劉奇葆・党中央宣伝部長と汪洋・副首相が従った。この博物館は、江沢民国家主席時代の「愛国主義教育基地」の拠点だったが、九・一八に政治局常務委員クラスが出席したことはなかった。習近平国家主席は、インドなどを歴訪中だった。この外交日程がなければ、習本人も出席したに違いない。
なぜ柳条湖事件の記念式典を格上げしたのか。劉雲山は「抗日戦争の主役は中国共産党だった」というスピーチをしたあと、「警世の鐘」を十四回ついた。柳条湖事件から日本の敗戦までの十四年を象徴している。普通、日中戦争は一九三七年の盧溝橋事件から起算して八年と数えるが、最近の中国では柳条湖事件を起点とする「日中戦争十四年説」が出てきた。
第二次世界大戦は、一九三九年のドイツ軍のポーランド侵攻で始まるが、中国は九・一八事件の意義を格上げして、反ファシズ・・・