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経済

第一生命の終わらぬ「不払い問題」

米国で「証券詐欺罪」立件の危機

2014年10月号

「第一生命、米生保買収へ」  今年六月二日付の日本経済新聞朝刊一面にこんな見出しが躍った。生保業界二位の第一生命保険が、米中堅生保「プロテクティブ生命」のM&Aを行う最終調整に入った。保険業界過去最大の五千億円規模の買収が実現すれば、保険料収入で業界一位の日本生命保険にほぼ並ぶという景気のいい記事だ。  しかしこの数日前の五月二十八日に、米証券当局が第一生命につ いて重要な告発を受理していたことは知られていない。今回の買収はもちろん、同社の経営に深刻な影響を与える「捜査」が水面下で続けられている。  過去の「不払い」を巡る第一生命への包囲網は、日本でも新たな局面を迎えている。 東京地検特捜部の四年にわたる捜査  米証券取引委員会(SEC)に対して、第一生命の渡邉光一郎社長の告発を行ったのは現役の第一生命社員だ。告発の代理人となった阿部哲二弁護士が語る。 「五月の頭に告発状を送って一カ月弱で受理。あまりに早かったので驚きました。第一生命によるプロテクティブ買収が進められている時期だけに、SECも今回の告発を放置できなかったのでは・・・