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連載

続・不養生のすすめ 45

日本人の栄養と平均寿命
柴田 博

2014年9月号

 筆者は、本コラムにおいても、日本人の低栄養化について指摘してきた。拙著『なにをどれだけ食べたらよいか。』(ゴルフダイジェスト社)でも指摘したとおり、最近の日本人のカロリー摂取量は、終戦直後の飢餓状態であった一九四六年のそれを下回っている。日本人のカロリー摂取量は元々少なく、欧米先進諸国より一千キロカロリー(三〇%)下回り、開発途上国の平均値と同じである。加えて年々減っているため、今では、東アジアでカロリー摂取量が日本を下回っているのは北朝鮮のみである。韓国、中国本土、台湾、香港のカロリー摂取量はすべて日本を上回っている。

 筆者が日本人の低カロリー化の危機を訴え始めたのは、十年あまり前のことである。それまで維持していた二千キロカロリーを割り込み、回復する兆しのないことを確認したからである。当初は、「飽食の日本にそんな馬鹿なことがあるか」と主張する識者が多かった。しかし、それが事実であることが分かってくると、「日本は高齢化していて老人がふえているので、年々カロリー摂取量が減るのは理の当然」であるという意見が多くなってきた。

 一方、前掲の拙著・・・